大学図書館における障害学生支援――障害者差別解消法の成立を受けて/ IRIS


IRIS


大学図書館における障害学生支援――障害者差別解消法の成立を受けて

日時:2013年12月13日(金)13:00~17:30
会場:キャンパスプラザ京都4階 第三講義室

司会 湯浅俊彦(立命館大学文学部)
「企画趣旨」松原洋子(立命館大学先端総合学術研究科)
「障害学生支援と合理的配慮」倉本智明
「著作権法37条に関する図書館ガイドラインについて」常世田良(立命館大学文学部)
「書籍のデータ化・提供を担ってきた主体の実態に関する調査」青木千帆子(立命館大学R-GIRO)
「立命館大学図書館における障害学生支援」田中清子(立命館大学図書館)

 現在、障害を有する学生に対して高等教育機関の門戸は開かれていますが、一方でその学習環境を他の健常学生と同等に整えることは困難な現状が続いています。
 とりわけ視覚障害等を有する学生の場合、授業で用いる教科書、副読本の書籍データを各教育機関が各自手作業で準備する必要があります。そして、このようなデータ化の取り組みが教育機関ごと個別に、予算や労力の確保に奔走しつつ継続されてきました。
 そこで、既に存在し各地に散在するデータを収集・整理するために連携を組み、迅速にデータを提供する体制を構築することを将来的な目標に、そのための知識として、障害者差別解消法の障害学生支援への影響と、著作権法における権利制限に関する情報共有を行いたい。
 このような目的の下、当研究会は企画されました。

 当日は、松原洋子(立命館大学先端総合学術研究科・IRISプロジェクトリーダー)による企画趣旨説明の後、倉本智明より「障害学生支援と合理的配慮」 というタイトルでの報告がなされました。倉本氏の報告では、日本において差別禁止が法制化されてきた経緯が紹介された後、合理的配慮に関する解説が行われました。
 続いて、常世田良(立命館大学文学部)より「著作権法37条に関する図書館ガイドラインについて」 というタイトルでの報告がなされました。37条ガイドラインの紹介に加え、大学図書館がガイドライン対象資料を作成する際に何ができて、どのような点に注意すべきかに関する解説が行われました。
 休憩をはさんだ後半は、青木千帆子(立命館大学R-GIRO)より「書籍のデータ化・提供を担ってきた主体の実態に関する調査」というタイトルで、現在大学に所属する視覚障害を有する学生が書籍に十分にアクセスできていない実態が報告されました。また、田中清子(立命館大学図書館)より「立命館大学図書館における障害学生支援」というタイトルで、立命館大学図書館でのガイドライン対象資料作成状況や、現場の抱える問題に関する報告が行われました。
 「もし、この社会の多数派が視覚障害者だったならば、私たちの使う文字は異なるものだっただろう」という、倉本氏によりなされた指摘が、印象的でした。
 また、参加者からは、「これまでこのような話に接する機会がなく重要な機会となった」「問題を整理し課題を再認識する機会となった」といった感想が聞かれました。

 立命館大学IRISとしましては、今後も大学図書館における障害学生支援に関する課題に取り組み、読書アクセシビリティの向上に貢献していきたいと考えております。
 研究会当日の資料をご希望の方がいらっしゃいましたら、rgiroiris★gmail.com(★→@)までご連絡ください。(文責:青木)